全国各地では、毎年のように地震、台風、水害等の大規模災害が発生しており、被災地では災害ボランティアによる支援活動が大きな力を発揮しています。災害ボランティアセンターは、被災地に欠かせない重要な支援を担っています。
愛媛県においても「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」では、記録的な集中豪雨により土砂崩れや河川の氾濫が多発し、愛媛県下5市2町(災害救助法が適用)に甚大な被害をもたらしました。その際にも南予地域を中心に7市町において災害ボランティアセンターが設置され、被災者の生活の復旧・復興に向けた支援活動が行われました。
本会においては、平成16年の豪雨災害を教訓に、平成17年11月1日に四国中央市と「災害ボランティア活動支援等に関する協定」を締結しており、それに基づき「災害ボランティア活動支援指針」及び「災害ボランティアセンター運営マニュアル」を整備し、災害発生時に円滑な災害ボランティアセンターの設置運営ができるように準備を整えています。
(1)被災状況の把握・現地調査(発災から1日~3日以内)
災害発生後、市災害対策本部からの被災状況等災害に関する情報をもとに、災害ボランティアセンター設置検討会議を組織
し、主な被災地域の状況把握(現地調査)を行う。
(2)設置の判断と開設までの流れ(発災から2日~7日以内)
市災害対策本部からの情報や現地調査の結果により、市との連携により災害ボランティアセンターの設置や支援方針を決定
する。
①活動方針の決定
○被災者ニーズの把握方法
○ボランティアの受入れ方法
○活動期間
○本部事務所及び現地事務所の設置
②広報(現在情報を随時発信)
③活動備品の調達
④活動資金の確保(中央共同募金会、愛媛県共同募金会等)
⑤各班の配置
○本部事務所(総務運営班/市連絡班/調整班/会計管理班)
○現地事務所(現地運営班/ボランティア受付・記録班/オリエンテーション班/活動支援班/医療救護班)
(3)広報(情報発信)
災害ボランティアセンターの運営状況、ボランティア募集、被災地の情報等、ホームページやSNS、マスコミ等を活用し
て、災害ボランティアセンターに関する広報や情報提供を行う。
(4)平常時からの備え
①内部研修の実施
○職員の共通認識や情報共有を図るため、定期的な会議/研修を開催し、招集のルール、役割分担、備蓄品の確認等を行う。
②外部研修等への参加
○県社協「災害ボランティアセンター中核スタッフ養成」研修への参加
③ネットワークの構築(コミュニティづくり)
○「愛媛県・市町社会福祉協議会における災害時支援協定」の締結
○県社協、市町社協、関係団体・機関(地縁組織・NPO・ボランティア団体・行政関係機関・福祉関係団体・企業等)との
ネットワークを構築する。
近年の事例では、ニーズの収束状況等を考慮した上で、災害ボランティアセンターを閉鎖するのではなく、地域支え合いセンター・復興支援センター等へ移行(事業継承)するケースが増えています。
○地域支え合いセンターとは
地域支え合いセンターは、相談員による被災者の見守り(訪問・相談支援)やアウトリーチによる課題発見、関係機関へのつ
なぎ、コミュニティ形成支援のほか、研修の開催等を行います。
(1)災害ボランティアセンターの設置検討
○設置検討に保健師等感染症予防の専門家の意見を加え、衛生に配慮した運営が可能かどうかの判断を行う。
○行政、保健所、医療機関等の支援体制を市等と連携して確保する。
(2)災害ボランティアセンターの運営
○スタッフ及びボランティア等の健康管理を徹底する。
○「3つの密」(密集・密接・密閉)を避け、マスクの着用、手洗い・手指消毒等衛生管理に最大限の配慮をした運営を行う。
○感染症流行時においては、全国的なボランティア募集が難しいことが想定されるため、地元の地域住民、福祉関係団体、ボラ
ンティア団体、NPO、企業、学校等に協力をお願いする。
○災害ボランティアによる支援をお願いする人、災害ボランティア活動を希望する人が、ともに安心して災害ボランティアセン
ターを利用してもらうために、衛生配慮策を盛り込んだ情報発信を行う。